昭和天皇の真意〜玉音放送より〜
- 岡本浩治
- 2023年8月30日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年9月26日

○原文抜粋
耐ヘ難キヲ耐ヘ忍ヒ難キヲ忍ヒ以テ万世ノ為ニ太平ヲ開カムト欲ス
朕ハ茲ニ国体ヲ護持シ得テ忠良ナル爾臣民ノ赤誠ニ信倚シ常ニ爾臣民ト共ニ在リ若シ夫レ情ノ激スル所濫ニ事端ヲ滋クシ或ハ同胞排擠互ニ時局ヲ乱リ為ニ大道ヲ誤リ信義ヲ世界ニ失フカ如キハ朕最モ之ヲ戒ム
宜シク挙国一家子孫相伝ヘ確ク神州ノ不滅ヲ信シ任重クシテ道遠キヲ念ヒ総力ヲ将来ノ建設ニ傾ケ道義ヲ篤クシ志操ヲ鞏クシ誓テ国体ノ精華ヲ発揚シ世界ノ進運ニ後レサラムコトヲ期スヘシ爾臣民其レ克く朕カ意ヲ体セヨ
○佛語訳
堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、もって万世のために太平を開かんと欲す。
•忍辱=六波羅蜜 忍辱、精進、禅定、布施、持戒、智慧。を持って万世=十方世界の為に太平= 泰平。世の中が平和に治まり穏やかなこと。また、そのさま。を開く事を望む。
朕は茲に国体を護持し得て、
•朕(ちん)=天皇と皇帝。
•茲(ここ)=心を指し示し慈となりて慈悲を顕し、国の•体=物事がはたらきをするもとをなす存在を仏法=国教としての仏法と顕し、•護持= しっかりと守って保つことを得て、
忠良なる爾臣民の赤誠(せきせい)に信倚(しんい)し、常に爾臣民と共にあり。
忠良なる•爾(なんじ、その/それ/そうである/しかり=然
それ。そのとおり。さよう。その。先に述べたことを受けその状態を指す。語。そう。)
注釈:なんじの然とは私の父愛新覚羅溥儀の別号である浩然を指し更に浩は浩ニを示し嵯峨浩との二つの浩を示しそれを更に肯定するよう示し受けた。爾臣民=日満のたみ。
赤誠=少しもうわべを飾らない、まごころ。
信倚=信じてたよること。信頼。
仏心に頼ること=自灯明の意。
もしそれ、情の激するところみだりに事端をしげくし、あるいは同胞排擠(はいせい)、互いに時局をみだり、
この事に感情を激しく=情欲(物をむさぼりそれに執着する心)する事なく同胞(仏教徒)を押し除けたり陥れたり互いに時局を混乱させ、
ために大道を誤り、信義を世界に失ふがごときは朕最もこれを戒む。
その為に大いなる道即ち仏道を誤り、義= 条理。正しい道。道理にかなったこと。人道に従うこと。の信を世界が失う事は天皇と皇帝は最もこれを教えさとす。 注意する。 しかる。
よろしく挙国一家、子孫相(あい)伝え、
よろしく
挙国=国を挙げて
一家=一つ家。仏界。
子孫相=子孫が向かい合う関係にある意を表す。いっしょに。互いに。伝え、
かたく神州(しんしゅう)の不滅を信じ、
かたく神州=二義あり、神国。日本で自国を誇っていう。中国で、自国の美称。
州=しま。川の中にできた島。人の居住できる所。なかす。す。
=洲。満洲。しまみちる。
釈尊の説法にて、この世で、自らを島とし、自らを頼りとして他人を頼りとせず法を島とし、法を拠り所として、他のものを拠り所とせずに行いなさい。
神州=しんしゅう=真州=真の拠り所。
任重くして道遠きをおもい、総力を将来の建設に傾け、
道義を篤くし、志操(しそう)をかたくし、
仏道を堅く守っている主義。動かぬ志=思想。仏教。篤く三宝を敬え。をかたくし、
誓って国体の精華を発揚し、世界の進運に後れざらんことを期すべし。
誓って国教として仏法の精華=そのものの本質をなす、最もすぐれている点。真髄=般若心経(般若波羅蜜多心経)は、仏教の神髄をまとめた経典。空より生じる智慧を発揚し、世界の進歩・向上の方向にある成行き傾向に遅れないことをとりきめた、くぎりの日時。決意すること。
爾臣民それよく朕が意を体(たい)せよ。
日満の臣民は、それよく朕=兆し、兆候(物事が起こる前の小さな変化)=諸行無常=の意=三法印(諸行無常、諸法無我、涅槃寂静)を心にとめて守るように。
令和五年八月二十九日
午後十一時五十六分
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